初めての出産は不安でいっぱいな上に覚える事も多く、大変ですよね。そんな中、産後はいろいろな方からお祝いを頂くかと思います。そこで忘れてはいけないのがそのお祝いに対するお返し=出産内祝いです。赤ちゃんの誕生をお祝いしてくれてありがとう、という気持ちを込めてお返しをしましょう。
この記事では、出産内祝いとは何か・いつからいつまでにするべき物なのか・金額相場はどれぐらいなのか・贈ってはいけない物の例など、これを抑えておけばOKというマナーを全て盛り込みました。非常識な人だと思われない為、最低限のマナーはしっかりと抑えておきましょう。
出産内祝いとは?
出産内祝いとは、現代では出産祝いをくれた方に贈るお返しという意味で使われています。
というのも、昔はお祝いを頂いたかどうかにかかわらず、「うちで赤ちゃんが産まれたので幸せのお裾分けです」と、お祝いの席を開いたり品を贈ったりする事をさしていました。
現代は基本そういう意味では使われず、出産内祝いといえば出産祝いのお返しという解釈で問題ありません。出産祝いを頂いていないのに出産内祝いを贈ってしまうと、「出産祝いをくれという事か?」と思わせてしまい、まるで催促しているかのようになってしまいますので注意しましょう。
また、出産祝いを頂いたのに出産内祝いを贈らないのは失礼に値しますので、頂いたならばきちんと出産内祝いを贈るようにしましょう。
出産内祝いは現金ではなく、ギフトを選んで贈るのが一般的です。これを贈らなければいけない、という物はありませんので、お祝いに相応しくない物を除き、相手に喜んでもらえる物を考えて選びましょう。
出産内祝いの基本マナー
出産内祝いを贈る際に抑えておきたいマナーをまとめてみました。「常識のない人なのかな?」と思われない為にも、マナーについてはしっかりと理解しておきましょう。
出産内祝いはいつからいつまでに贈るの?
赤ちゃんが産まれ、出産祝いを頂く時期が大体生後7日から生後一ヵ月の頃になります。
出産祝いを頂いたならば、生後一ヵ月のお宮参りの頃を目安に、出産内祝いとしてお返しを贈りましょう。遅くても生後二ヵ月頃までには相手の手元に届くように手配すると良いですね。
但し、産後の体調が優れない場合は無理をせず後回しにしてもかまいません。出産祝いを頂いたお礼の連絡だけはすぐに入れ、お返しは落ち着いた頃に遅くなった謝罪を入れて贈ると良いでしょう。
中には遅く出産祝いを頂くケースもあるかと思います。その場合には頂いてから一ヵ月を目途に出産内祝いを相手の手元に届くように手配すれば問題ありません。
出産内祝いの金額相場はどれぐらい?
出産内祝いを贈る際の金額相場は、頂いたお祝いの半額~三分の一の額です。
高額なお祝いを頂いた場合や目上の方からお祝いを頂いた場合は、三分の一程度と少なめのお返しでも問題ありません。むしろ目上の方からのお祝いには少なめに返したほうが控えめで良い印象を与えることができます。
まれに、頂いたお祝いの半額以上の品を贈ってしまう方がいらっしゃいますが、これはお祝いをくれた方の好意を無駄にしてしまう行為で、失礼に当たりますのでやめましょう。
また、両親から出産祝いを頂いた場合は「これからの生活に役立てて欲しい」という意味が込められている場合もあり、そういった場合は金額にこだわらず、ちょっとした物でも思いのこもったお返しの品を選んで贈りましょう。
出産内祝いで使う熨斗(のし)と書き方
出産内祝いで使用する熨斗(のし)には、紅白蝶結びの熨斗を使用しましょう。蝶結びは何度でもほどいで結びなおせる事から、何度あっても嬉しいお祝いの際に使用する熨斗です。
似た熨斗のなかで紅白結び切りの熨斗がありますが、こちらは結婚など基本人生で一度きりのお祝いで使用する熨斗になります。相手を困惑させてしまう事になりますので、間違っても出産内祝いで結び切りののしは使用しないようにしましょう。
熨斗の書き方としては、のし上に「内祝」「内祝い」もしくは「出産内祝」「出産内祝い」と記入します。のし下には赤ちゃんの名前をふりがな付きで記入します。双子以上の場合は先に産まれた子の名前を右から順に並べて記入します。
出産内祝いのよくある疑問
出産内祝いを贈る際によくある疑問をまとめてみましたので参考にしてみて下さい。
出産内祝いは手渡ししなければならない?
出産祝いを手渡しで頂いたら、お返しをする際も手渡しをしなければいけないのかと悩んでしまう方もいらっしゃいますが、出産内祝いを贈る手段は宅配や郵送でも問題ありません。出産内祝いを贈るのに適した時期は赤ちゃんはまだ生後一ヵ月。連れて回るのも大変ですので、宅配や郵送のほうが現実的です。但し郵送する際には、届く日時を事前に連絡しておきましょう。突然届いてもびっくりさせてしまいますし、届く日時が分かったほうが相手も受け取るために日程を組みやすいです。
手渡しする場合には長居しないように気を付けましょう。長時間の外出は赤ちゃんにも負担をかけますし、産後間もないママの体にも負担をかけてしまいます。
連名で頂いた場合はどうすれば良い?
職場の方や友達などから出産祝いを連名で頂いた場合、どういう形でお返しをしたら良いのでしょうか。
基本的に、連名でも出産祝いを買うためにお金を出してくれた方それぞれに出産内祝いを贈ります。出産内祝いの相場は頂いたお祝いの半額から三分の一の額とされていますが、連名の場合は頂いたお祝いの額÷連名の人数をし、その額の半額から三分の一の額の品を選んでそれぞれに贈ります。
もしくは、頂いたお祝いの半額~三分の一の額の品を購入し、それを皆で分けてもらう形をとるのもありです。購入する品は個包装のお菓子など、分けやすい物が適しています。出産内祝いが少額になる場合や職場の方から連名で頂いた場合などはこの方法が合っている事が多いです。
出産内祝いを贈る相手が喪中の場合は?
出産内祝いを贈る相手が喪中の場合、贈らないほうが良いのでは?と悩んでしまうかもしれませんが、お祝いを頂いたのにお返しをしないのは失礼にあたります。喪中の場合は四十九日を過ぎてから贈るようにすると良いでしょう。出産内祝いを贈る時期は生後一ヵ月頃ですが、喪中の場合は四十九日を過ぎてから贈る基準のほうを優先してかまいません。
熨斗には「祝」の文字を入れないよう配慮する為、表書きには「内祝」ではなく「御礼」と記入しましょう。
また、贈る品にも配慮が必要です。弔事でよく使用される日本茶や、「苦」「死」を連想させる櫛は避けるようにしましょう。亡くなった方の顔にかける白いハンカチはもってのほかです。
お返しはいらないと言われた場合は?
出産祝いを頂く際に、「お返しはいらないから」と言われる場合があります。お返しはいらないと言われた場合でも、基本的にお返しをするのがマナーになります。
但し、お返しはいらないと言っているのが両親やとても近しい方の場合は「赤ちゃんが産まれたこれからの生活に役立ててほしい」という意味が込められていますので、お言葉に甘えるのもありでしょう。こちらの記事では、「お返しはいらない」と言っている相手別にどう対応したら良いかまとめていますので見てみて下さいね。
喜ばれる出産内祝いを選ぶポイント
せっかく出産内祝いを贈るのであれば、相手に喜んでもらえる物を贈りたいですよね。喜んでもらえる出産内祝い選びのポイントとしては、相手の好み・世帯人数・生活スタイルなどを考えて選ぶ事です。
例えば同じ30代女性でも、既婚の方と独身の方では喜ばれるものが変わってきます。既婚の方は家族で使うものや楽しめるようなもの、独身の方は一人で楽しめるような物が喜ばれます。といったように、相手がどんな生活をしているかを考えてあげると良い出産内祝いの品選びができるかと思います。
出産内祝い選びで気を付けるべき品
出産内祝いを贈る際には気を付けるべき品がありますので、選ぶ際にはこれらに引っかかっていないかチェックして選択しましょう。
名入れギフト・写真入りギフトに注意
名入れギフトや写真入りギフトは、基本お菓子などの消えものを選ぶようにしましょう。両親や祖父母であれば物として残る名入れ・写真入りギフトは喜んでもらえますが、それ以外の方からは物として残るタイプはあまり受け入れてもらえる物ではありません。
賞味期限の短い食品に注意
食品を贈る場合は、賞味期限に注意して選びましょう。すぐに食べてもらえるとは限りませんので、賞味期限の短い食品は選ばないようにするのが良いですね。
量に注意
出産内祝いの品を選ぶ際には、量にも注意しましょう。量が多すぎる物は、大家族への出産内祝いとしては適していますが、一人暮らしや夫婦二人暮らしなどの場合は消費しきれない可能性くあまり適していません。
出産内祝いで贈ってはいけない品
出産内祝いで贈ることはNGとされている品がありますので、これらの物はできるだけ避けるようにしましょう。
包丁やはさみなどの刃物
出産内祝いとして贈ってはいけないとされる物もありますので注意しましょう。包丁やはさみなどの刃物は「縁を切る」という事を想像させてしまいますので、お祝いの品としては相応しい物ではありません。
日本茶
日本茶は弔事でよく使用される事から、お祝いの場での品としては相応しくないと考える方もいらっしゃいます。しかし現在では可愛いデザイン缶の日本茶も出回っている為、絶対にだめという事はありません。但し、ご年配の方の中には気にする方もいるという事を覚えておきましょう。
ハンカチ
ハンカチは日本語で表記すると「手巾」と書きます。これは「てぎれ」と読むことができ、こちらもまた縁を切ることを想像させてしまいますので出産内祝いとしてはあまり相応しくはありません。但し現在では可愛いデザインのものも増えてきていますので一概にNGという事はありませんが、ご年配の方ですと気にする方もいらっしゃいますので勘違いさせる可能性のあるハンカチをわざわざチョイスしなくても良いのではないかと思います。
白いハンカチは亡くなった方の顔にかける物ですので、避けるようにしましょう。特に装飾のないものは完全にNGです。
櫛
櫛は「苦」や「死」を想像させてしまう為、お祝いの場での品としてはあまり相応しくありません。
マナーを抑えてありがとうの気持ちを示そう
出産内祝いは出産祝いを頂いたならば基本的に必ずすべきものです。しっかりとマナーを抑え、出産祝いを贈ってくれた方にありがとうの気持ちを示しましょう。